弱りきった源氏を支える惟光【源氏物語 49 第4帖 夕顔15】心身ともに弱りきった源氏。葬儀や、源氏の名誉を守るために抜かりなく動く惟光。右近も悲しみに沈む

「今お話ししたようにこまかにではなく、 ただ思いがけぬ穢れにあいましたと申し上げてください。 こんなので今日は失礼します」 素知らず顔には言っていても、 心にはまた愛人の死が浮かんできて、 源氏は気分も非常に悪くなった。 だれの顔も見るのが物憂《ものう》かった。 お使いの蔵人《くろうど》の弁《べん》を呼ん…