夕顔の亡骸に最後の別れを望む源氏【源氏物語 50 第4帖 夕顔16 】冷たくなっても美しく可憐な夕顔に慟哭する。右近は二条院に仕える

「よくないことだとおまえは思うだろうが、 私はもう一度 遺骸を見たいのだ。 それをしないではいつまでも憂鬱が続くように思われるから、 馬ででも行こうと思うが」 主人の望みを、 とんでもない軽率なことであると思いながらも 惟光は止めることができなかった。 「そんなに思召《おぼしめ》すのならしかたがございませ…