源氏は僧都の山荘に泊まる【源氏物語 63 第5帖 若紫7】貴族的な良い雰囲気の中 源氏は 尼君に姫君のことで相談を持ちかける。

奥のほうの室にいる人たちも起きたままでいるのが 気配で知れていた。 静かにしようと気を配っているらしいが、 数珠《じゅず》が脇息《きょうそく》に触れて鳴る音などがして 女の起居《たちい》の衣摺《きぬず》れも ほのかになつかしい音に耳へ通ってくる。 貴族的なよい感じである。 源氏はすぐ隣の室でもあったから …