源氏 姫の御簾に入る【源氏物語73 第五帖 若紫16】女王は 直衣を着た方が来られていると聞いて父宮かと思ったが源氏の君であることを知る。

「そんなことはどうでもいいじゃありませんか、 私が繰り返し繰り返しこれまで申し上げてあることを なぜ無視しようとなさるのですか。 その幼稚な方を私が好きでたまらないのは、 こればかりは前生《ぜんしょう》の縁に違いないと、 それを私が客観的に見ても思われます。 許してくだすって、 この心持ちを直接女王さんに…