恋しい人の面影を追う源氏【源氏物語67 第五帖 若紫10-2】藤壺の宮に縁故があり、恋しい人の面影を持つ少女を引き取りたいという思いが深まり、惟光を北山に遣わす。

就寝を促してみても聞かぬ人を置いて、 歎息《たんそく》をしながら源氏は枕についていたというのも、 夫人を動かすことにそう骨を折る気にはなれなかったのかもしれない。 ただくたびれて眠いというふうを見せながらも いろいろな物思いをしていた。 若草と祖母に歌われていた 兵部卿の宮の小王女の登場する未来の舞台が …