雛遊びに夢中の紫の君【源氏物語103第七帖 紅葉賀5】犬君に壊された家を直している。雛人形の中の源氏を綺麗に装束させて参内の真似をして遊ぶ

母方の祖母の喪は三か月であったから、 師走《しわす》の三十日に喪服を替えさせた。 母代わりをしていた祖母であったから除喪のあとも派手にはせず 濃くはない紅の色、紫、山吹《やまぶき》の落ち着いた色などで、 そして地質のきわめてよい織物の小袿《こうちぎ》を着た元日の紫の女王は、 急に近代的な美人になったよう…