帝は若宮を慈しむ【源氏物語106 第七帖 紅葉賀8】実は藤壺の宮と源氏の子である新皇子。罪の意識から藤壺も源氏も心が乱れる。

新皇子拝見を望むことに対しては、 「なぜそんなにまでおっしゃるのでしょう。 自然にその日が参るのではございませんか」 と答えていたが、 無言で二人が読み合っている心が別にあった。 口で言うべきことではないから、 そのほうのことはまた言葉にしにくかった。 「いつまた私たちは直接にお話ができるのだろう」 と言…