御禊の日 運命は狂い出す【源氏物語131 第九帖 葵4】葵上は懐妊中であるが母宮の勧めで 西院の禊の行列を見物に行く。

そのころ前代の加茂《かも》の斎院《さいいん》が おやめになって皇太后腹の院の女三の宮が新しく斎院に定まった。 院も太后もことに愛しておいでになった内親王であるから、 神の奉仕者として常人と違った生活へおはいりになることを 御親心に苦しく思召《おぼしめ》したが、 ほかに適当な方がなかったのである。 斎院就…