御息所を訪問したが会ってもらえない源氏【源氏物語137 第九帖 葵10】源氏は紫の姫の髪そぎをする。

貴婦人としての資格を十分に備えながら、 情味に欠けた強い性格から、 自身はそれほどに憎んではいなかったであろうが、 そうした一人の男を巡って 愛の生活をしている人たちの間は また一種の愛で 他を見るものであることを知らない女主人の意志に 習って付き添った人間が御息所を侮辱したに違いない、 見識のある上品な…