【源氏物語184 第九帖 葵57】源氏は若紫に夢中である。右大臣は、源氏を六の君の婿にと思うが 皇太后はそれに対し憤慨する。

若紫と新婚後は宮中へ出たり、 院へ伺候していたりする間も 絶えず源氏は可憐な妻の面影を心に浮かべていた。 恋しくてならないのである。 不思議な変化が自分の心に現われてきたと思っていた。 恋人たちの所からは 長い途絶えを恨めしがった手紙も来るのであるが、 無関心ではいられないものもそれらの中にはあっても、 …