より多く愛している女の哀しみ【源氏物語190 第10帖 賢木2】源氏は野宮の六条御息所を訪問することにした

いよいよ御息所に行ってしまわれることは残念で、 手紙だけは愛をこめてたびたび送っていた。 情人として逢うようなことは思いもよらないようにもう今の御息所は思っていた。 自分に逢っても恨めしく思った記憶のまだ消えない源氏は 冷静にも別れうるであろうが、 その人をより多く愛している弱味のある自分は 心を乱さな…