御息所は なかなか会おうとしない【源氏物語192 第十帖 賢木4】野の宮は質素な構えながら、神々しい雰囲気である。

野の宮は簡単な小柴垣《こしばがき》を 大垣にして連ねた質素な構えである。 丸木の鳥居などはさすがに神々《こうごう》しくて、 なんとなく神の奉仕者以外の者を恥ずかしく思わせた。 神官らしい男たちがあちらこちらに何人かずついて、 咳《せき》をしたり、立ち話をしたりしている様子なども、 ほかの場所に見られぬ光…