【源氏物語196 第十帖 賢木8】この人を、永久につなぐことのできた糸は、自分の過失で切れてしまったと悔やむ源氏

この人を永久につなぐことのできた糸は、 自分の過失で切れてしまったと悔やみながらも、 明るくなっていくのを恐れて源氏は去った。 そして二条の院へ着くまで絶えず涙がこぼれた。 女も冷静でありえなかった。 別れたのちの物思いを抱いて 弱々しく秋の朝に対していた。 ほのかに月の光に見た源氏の姿を なお幻に御息所…