【源氏物語200 第十帖 賢木12】朱雀帝は斎王の美に心を打たれ、別れの御櫛を髪に挿してお与えになる時、悲しみに耐え難く悄然となさった。

斎宮は十四でおありになった。 きれいな方である上に 錦繍《きんしゅう》に包まれておいでになったから、 この世界の女人《にょにん》とも見えないほどお美しかった。 斎王の美に御心《みこころ》を打たれながら、 別れの御櫛《みぐし》を髪に挿《さ》してお与えになる時、 帝《みかど》は悲しみに堪えがたくおなりになっ…