【源氏物語205 第十帖 賢木17】兵部卿の宮は、雪にしおれて下葉の枯れたのを見て、「蔭ひろみ 頼みし松や 枯れにけん下葉散り行く年の暮かな」とお歌いになる。

菊 music by 西本康佑 中宮は三条の宮へお帰りになるのである。 お迎えに兄君の兵部卿の宮がおいでになった。 はげしい風の中に雪も混じって散る日である。 すでに古御所《ふるごしょ》になろうとする 人少なさが感ぜられて静かな時に、 源氏の大将が中宮の御殿へ来て 院の御在世中の話を宮としていた。 前の庭の五葉が雪…