【源氏物語208 第十帖 賢木20】弘徽殿の大后の力が増し、源氏も左大臣も不快さを味わうことが多くなった。源氏は夕霧を可愛がる。

院がおいでになったころは御遠慮があったであろうが、 積年の怨みを源氏に酬《むく》いるのはこれからであると 烈《はげ》しい気質の太后は思っておいでになった。 源氏に対して何かの場合に意を得ないことを政府がする、 それが次第に多くなっていくのを見て、 源氏は予期していたことではあっても、 過去に経験しなかっ…