【源氏物語214 第十帖 賢木26】藤壺の宮の具合が悪くなった。朝になっても御寝室に止まった源氏は、塗籠の中へ押し入れられてしまった。

命婦《みょうぶ》とか弁《べん》とか 秘密にあずかっている女房が驚いていろいろな世話をする。 源氏は宮が恨めしくてならない上に、 この世が真暗《まっくら》になった気になって 呆然として朝になってもそのまま御寝室にとどまっていた。 御病気を聞き伝えて御帳台のまわりを 女房が頻繁《ひんぱん》に往来することにも…