【源氏物語218 第十帖 賢木30】夜が明けても源氏は宮に訴える。宮様は半ば死んだようになっておいでになる。恐ろしいほどに源氏は真剣になっていた。

この上で力で勝つことは なすに忍びない 清い気高さの備わった方であったから、 源氏は、 「私はこれだけで満足します。 せめて今夜ほどに接近するのをお許しくだすって、 今後も時々は私の心を聞いてくださいますなら、 私はそれ以上の無礼をしようとは思いません」 こんなふうに言って油断をおさせしようとした。 今後の…