【源氏物語268 第12帖 須磨2】紫の上は「どんなひどい所だって、ごいっしょでさえあれば私はいい」と言って、行きたい希望のこばまれるのを恨めしく思っていた。

モノローグ written by Koke いとわしく思った都も、 いよいよ遠くへ離れて行こうとする時になっては、 捨て去りがたい気のするものの多いことを源氏は感じていた。 その中でも若い夫人が、 近づく別れを日々に悲しんでいる様子の哀れさは 何にもまさっていたましかった。 この人とはどんなことがあっても 再会を遂げよう…