【源氏物語274 第12帖 須磨8】源氏は秘めた恋人と過ごす。明け方の月が美しくて、春の花の木が盛りを失って 少しの花が若葉に咲き残った庭に 淡く霧がかかる。

静かな森(Quiet forest) written by 蒲鉾さちこ 三位《さんみ》中将も来て、 酒が出たりなどして夜がふけたので 源氏は泊まることにした。 女房たちをその座敷に集めて話し合うのであったが、 源氏の隠れた恋人である中納言の君が、 人には言えない悲しみを一人でしている様子を 源氏は哀れに思えてならないのである。 皆…