【源氏物語284 第12帖 須磨18】月の光が花散里の袖の上に差している。女君の悲しがっている様子が哀れで、源氏の方が慰めてやらねばならなかった。

夜と静寂(The night and quiet) written by 蒲鉾さちこ 恋の初めから今日までのことを源氏が言い出して、 感傷的な話の尽きないのであるが、 鶏ももうたびたび鳴いた。 源氏はやはり世間をはばかって、 ここからも早暁に出て行かねばならないのである。 月がすっとはいってしまう時のような気がして女心は悲しかった。 月…