【源氏物語287 第12帖 須磨21】源氏は朧月夜の君に 手紙を送った。朧月夜の君は非常に悲しがった。流れて出る涙はとめどもなかった。

孤影 written by ハシマミ 源氏はまた途中の人目を気づかいながら 尚侍《ないしのかみ》の所へも別れの手紙を送った。 あなたから何とも言ってくださらないのも 道理なようには思えますが、 いよいよ京を去る時になってみますと、 悲しいと思われることも、 恨めしさも強く感ぜられます。 逢瀬《あふせ》なき 涙の川に …