【源氏物語290 第12帖 須磨24】やっと月が出たので、三条の宮を源氏は出て御陵へ行こうとした。供はただ五、六人つれただけである。下の侍も親しい者ばかりにして馬で行った。

やっと月が出たので、 三条の宮を源氏は出て御陵へ行こうとした。 供はただ五、六人つれただけである。 下の侍も親しい者ばかりにして馬で行った。 今さらなことではあるが 以前の源氏の外出に比べてなんという寂しい一行であろう。 家従たちも皆悲しんでいたが、 その中に昔の斎院の御禊みそぎの日に 大将の仮の随身にな…