【源氏物語304 第12帖 須磨38】紫の上のよこした衣服類は洗練され趣味がよく、優れた女性に成長したことを源氏は嬉しく思う。

尚侍《ないしのかみ》のは、 浦にたく あまたにつつむ 恋なれば 燻《くゆ》る煙よ行く方《かた》ぞなき 今さら申し上げるまでもないことを略します。 という短いので、 中納言の君は悲しんでいる尚侍の哀れな状態を報じて来た。 身にしむ節々《ふしぶし》もあって源氏は涙がこぼれた。 紫の女王のは 特別にこまやかな情の…