【源氏物語307 第12帖 須磨41】どの人へも相手の心の慰むに足るような愛情を書き送っては 返事を得る喜びにまた自身を慰めている源氏であった

こうした運命に出逢う日を予知していましたなら、 どこよりも私はあなたとごいっしょの旅に 出てしまうべきだったなどと、 つれづれさから 癖になりました物思いの中にはそれがよく思われます。 心細いのです。 伊勢人の 波の上漕ぐ 小船《をぶね》にも うきめは刈らで 乗らましものを あまがつむ 歎《なげ》きの中に しほ…