源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
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【源氏物語312 第12帖 須磨46】秋風が須磨の里を吹く。源氏は目が覚め琴を弾き歌う。源氏も起きてきた惟光たちも涙を流す。
秋風が須磨の里を吹くころになった。 海は少し遠いのであるが、 須磨の関も越えるほどの秋の波が立つと行平が歌った波の音が、 夜はことに高く響いてきて、 堪えがたく寂しいものは謫居《たっきょ》の秋であった。 居間に近く宿直《とのい》している少数の者も皆眠っていて、 一人の源氏だけがさめて一つ家の四方の風の音…