【源氏物語318 第12帖 須磨52】大弐の子の筑前守が源氏を訪ねた。彼は泣く泣く帰って、源氏のの様子などを報告する。大弐も、京から来ていた迎えの人たちも皆泣いた。

大弐は源氏へ挨拶《あいさつ》をした。 「はるかな田舎《いなか》から上ってまいりました私は、 京へ着けばまず伺候いたしまして、 あなた様から都のお話を伺わせていただきますことを 空想したものでございました。 意外な政変のために御隠栖になっております土地を 今日通ってまいります。 非常にもったいないことと存じ…