【源氏物語325 第12帖 須磨59】良清朝臣は、明石入道の娘に手紙を送ったりしたが返事はなかった。父親の入道から相談したいことがあると言ってきた。

明石の浦は這《は》ってでも行けるほどの近さであったから、 良清朝臣《よしきよあそん》は 明石の入道の娘を思い出して手紙を書いて送ったりしたが 返書は来なかった。 父親の入道から相談したいことがあるから ちょっと逢いに来てほしいと言って来た。 求婚に応じてくれないことのわかった家を訪問して、 失望した顔でそ…