【源氏物語326 第12帖 須磨60】明石入道は娘を源氏と結婚させようと考える。妻は反対するが入道は聞かない。入道の風変わりな性格が伺われた。

「それはたいへんまちがったお考えですよ。 あの方はりっぱな奥様を何人も持っていらっしって、 その上陛下の御愛人をお盗みになったことが問題になって 失脚をなすったのでしょう。 そんな方が田舎育ちの娘などを眼中にお置きになるものですか」 と妻は言った。 入道は腹を立てて、 「あなたに口を出させないよ。 私には…