【源氏物語327 第12帖 須磨61】桐壺の更衣は、明石入道の叔父の按察使大納言の娘。桐壺の更衣と明石入道はいとこ同士であることを妻に伝える。

「なぜそうしなければならないのでしょう。 どんなにごりっぱな方でも 娘のはじめての結婚に罪があって 流されて来ていらっしゃる方を 婿にしようなどと、私はそんな気がしません。 それも愛してくださればよろしゅうございますが、 そんなことは想像もされない。 戯談《じょうだん》にでも そんなことはおっしゃらないで…