【源氏物語328 第12帖 須磨62】娘は優雅で上品な女で、貴族の娘にも劣らない。入道は大事がって年に二度づつ住吉の社に参詣させて 神の恩恵を頼みにしていた。

この娘はすぐれた容貌を持っているのではないが、 優雅な上品な女で、 見識の備わっている点などは貴族の娘にも劣らなかった。 境遇をみずから知って、 上流の男は自分を眼中にも置かないであろうし、 それかといって身分相当な男とは結婚をしようと思わない、 長く生きていることになって 両親に死に別れたら尼にでも自分…