【源氏物語331 第12帖 須磨65】海人達が貝などを届けによったので話を聞く。小鳥のように多弁である。根本は処世難である。貴公子達は我らも同じだと思った。

室内の用具も簡単な物ばかりで、 起臥《きが》する部屋も 客の座から残らず見えるのである。 碁盤、双六《すごろく》の盤、 弾棊《たぎ》の具なども 田舎《いなか》風のそまつにできた物が置かれてあった。 数珠《じゅず》などがさっきまで 仏勤めがされていたらしく出ていた。 客の饗応《きょうおう》に出された膳部《ぜ…