【源氏物語332 第12帖 須磨66】馬に稲を食わせたりするのが源氏にも客にも珍しかった。幼い夕霧の様子を聞いて源氏は悲しく思う。

山荘の馬を幾疋《ひき》も並べて、 それもここから見える倉とか納屋とかいう物から 取り出す稲を食わせていたりするのが源氏にも客にも珍しかった。 催馬楽《さいばら》の飛鳥井《あすかい》を二人で歌ってから、 源氏の不在中の京の話を泣きもし、笑いもしながら、 宰相はしだした。 若君が何事のあるとも知らずに 無邪気…