【源氏物語343 第13帖 明石5】慈悲をあまねく日本国じゅうに垂れたまい、不幸なる者を救いたまえること数を知らず、今何の報いにて風波の牲となりたまわん。彼らは祈った。

源氏物語343です 「帝王の深宮に育ちたまい、 もろもろの歓楽に驕《おご》りたまいしが、 絶大の愛を心に持ちたまい、 慈悲をあまねく日本国じゅうに垂《た》れたまい、 不幸なる者を救いたまえること数を知らず、 今何の報いにて風波の牲《にえ》となりたまわん。 この理を明らかにさせたまえ。 罪なくして罪に当たり、 …