【源氏物語344 第13帖 明石6】雷鳴は激しくとどろいて源氏の居間に続いた廊へ落雷した。火が燃え上がって廊は焼けていく。人々は心も肝も皆失ったようになっていた。

住吉《すみよし》の御社《みやしろ》のほうへ向いて こう叫ぶ人々はさまざまの願を立てた。 また竜王《りゅうおう》をはじめ大海の諸神にも 源氏は願を立てた。 いよいよ雷鳴ははげしくとどろいて 源氏の居間に続いた廊へ落雷した。 火が燃え上がって廊は焼けていく。 人々は心も肝《きも》も皆失ったようになっていた。 …