【源氏物語348 第13帖 明石10】前播磨守 明石入道が良清に面会したいと申し出た。良清は訳のわからぬ風であったが、源氏は昨夜の夢のこともあり良清に会ってやれと言った。

渚《なぎさ》のほうに小さな船を寄せて、 二、三人が源氏の家のほうへ歩いて来た。 だれかと山荘の者が問うてみると、 明石《あかし》の浦から前播磨守《さきのはりまのかみ》入道が 船で訪ねて来ていて、 その使いとして来た者であった。 「源《げん》少納言さんがいられましたら、 お目にかかって、 お訪ねいたしました…