【源氏物語349 第13帖 明石11】明石入道は「雨風が止んだら、必ず須磨の源氏の君の所に行け」という夢のお告げの話をした。良清は源氏に伝えた。

「この月一日の夜に見ました夢で 異形《いぎょう》の者からお告げを受けたのです。 信じがたいこととは思いましたが、 十三日が来れば明瞭になる、 船の仕度をしておいて、 必ず雨風がやんだら 須磨の源氏の君の住居《すまい》へ行けというような お告げがありましたから、 試みに船の用意をして待っていますと、 たいへん…