【源氏物語356 第13帖 明石18】須磨は寂しく静かであったが、明石は漁村も賑やかに見える。いろいろな良さを発見されていって慰められた。

あの晴れ間もないようだった天気は名残なく晴れて、 明石の浦の空は澄み返っていた。 ここの漁業をする人たちは得意そうだった。 須磨は寂しく静かで、 漁師の家もまばらにしかなかったのである。 最初ここへ来た時にはそれと変わった漁村のにぎやかに見えるのを、 いとわしく思った源氏も、 ここにはまた特殊ないろいろの…