【源氏物語364 第13帖 明石26】明石入道は、延喜の聖帝から伝わった3代目の芸を継いだ者であるが娘が聞き覚えた。ぜひお聞き入れたいと源氏に言う。

源氏の意はただおおまかに女ということであったが、 入道は訳もなくうれしい言葉を聞きつけたように、 笑みながら言う、 「あなた様があそばす以上におもしろい音《ね》を出しうるものが どこにございましょう。 私は延喜《えんぎ》の聖帝から伝わりまして 三代目の芸を継いだ者でございますが、 不運な私は俗界のこととと…