【源氏物語367 第13帖 明石29】明石入道は十三弦を弾く。弾く指の運に唐風が多く混じっている。源氏も拍子を取り声も添える。入道は身の上話をする。

音楽通の自信があるような入道の言葉を、 源氏はおもしろく思って、 今度は十三絃を入道に与えて弾かせた。 実際 入道は玄人《くろうと》らしく弾く。 現代では聞けないような手も出てきた。 弾く指の運びに唐風が多く混じっているのである。 左手でおさえて出す音などはことに深く出される。 ここは伊勢《いせ》の海では…