【源氏物語368 第13帖 明石30】明石入道は住吉の神に春秋に参詣し昼夜仏前のお勤めをし 、自分の極楽往生を差し置いて 娘のよい結婚を祈っていると源氏に話す。

「申し上げにくいことではございますが、 あなた様が思いがけなくこの土地へ、 仮にもせよ移っておいでになることになりましたのは、 もしかいたしますと、 長年の間老いた法師がお祈りいたしております神や仏が 憐《あわれ》みを一家におかけくださいまして、 それでしばらくこの僻地《へきち》へ あなた様がおいでになっ…