【源氏物語376 第13帖 明石38】明石入道の娘は京の貴女にあまり劣らないほど上手であった。源氏は京の生活が思い出され楽しかった。

思ふらん 心のほどや やよいかに まだ見ぬ人の 聞きか悩まん 手も書き方も京の貴女にあまり劣らないほど上手であった。 こんな女の手紙を見ていると京の生活が思い出されて 源氏の心は楽しかったが、 続いて毎日手紙をやることも人目がうるさかったから、 二、三日置きくらいに、寂しい夕方とか、 物哀れな気のする夜明け…