【源氏物語378 第13帖 明石40】紫の上を恋しく思うげんじ。そっとこちらに迎えようとも思うが、やはり忍ぶ方が良いのであるとして恋しさを抑えていた。

何ほども遠くなってはいないのであるが、 ともかくも須磨の関が中にあることになってからは、 京の女王がいっそう恋しくて、 どうすればいいことであろう、 短期間の別れであるとも思って捨てて来たことが残念で、 そっとここへ迎えることを実現させてみようかと 時々は思うのではあるが、 しかしもうこの境遇に置かれてい…