【源氏物語392 第13帖 明石54】源氏が入ってこようなどと予期しなかったた娘は、部屋に入り戸を開けられないようにしたが、娘は妻となった。やや背が高い気高い様子の人だった

源氏がそこへはいって来ようなどとは 娘の予期しなかったことであったから、 それが突然なことでもあって、 娘は立って近い一つの部屋へはいってしまった。 そしてどうしたのか、 戸はまたあけられないようにしてしまった。 源氏はしいてはいろうとする気にもなっていなかった。 しかし源氏が躊躇《ちゅうちょ》したのはほ…