【源氏物語396 第13帖 明石58】源氏は紫の上に「またここでよけいな夢を一つみました」と、明石の君との結婚のことを手紙で伝えた。

新しい恋人は得ても 女王へ焦れている心は慰められるものでもなかったから、 平生よりもまた情けのこもった手紙を源氏は京へ書いたのであるが、 奥に今度のことを書いた。 私は過去の自分のしたことではあるが、 あなたを不快にさせたつまらぬいろいろな事件を思い出しては 胸が苦しくなるのですが、 それだのにまたここで…