【源氏物語400 第13帖 明石62】源氏は いろいろに絵を描き、その時々の心を文章にしてつけていった。心が通じたのか、紫の上も絵を描き自身の日々を日記のように書いた。

源氏はいろいろに絵を描《か》いて、 その時々の心を文章にしてつけていった。 京の人に訴える気持ちで描いているのである。 女王の返辞が この絵巻から得られる期待で作られているのであった。 感傷的な文学および絵画としてすぐれた作品である。 どうして心が通じたのか 二条の院の女王も ものの身にしむ悲しい時々に、 …