【源氏物語413 第13帖 明石75】明石入道は出立の日の饗応を設け、皆に立派な旅装一揃いづつ、源氏の衣服は精選して調整した。狩衣のところに明石の上の歌があった。

出立の日の饗応《きょうおう》を入道は派手に設けた。 全体の人へ餞別《せんべつ》に りっぱな旅装一揃《そろ》いずつを出すこともした。 いつの間にこの用意がされたのであるかと驚くばかりであった。 源氏の衣服はもとより質を精選して調製してあった。 幾個かの衣櫃《ころもびつ》が 列に加わって行くことになっている…