【源氏物語401 第13帖 明石63】朱雀帝は朝廷の政務を総括的に見る人物に源氏を起用しないことは国家の損失と思し召し、皇太后の反対を押し切り赦免した。

春になったが帝《みかど》に御悩《ごのう》があって 世間も静かでない。 当帝の御子は右大臣の女《むすめ》の 承香殿《じょうきょうでん》の女御《にょご》の腹に皇子があった。 それはやっとお二つの方であったから 当然東宮へ御位《みくらい》はお譲りになるのであるが、 朝廷の御後見をして政務を総括的に見る人物に だ…