【源氏物語403 第13帖 明石65】京に戻る源氏。明石の入道は悲しむが 源氏が栄えねば自分の夢は叶わないと思い直した。明石の君は懐妊。別離が近づくが、源氏は女君を深く好きになっていた。

入道も当然であると思いながらも、 胸に蓋《ふた》がされたほど悲しい気持ちもするのであったが、 源氏が都合よく栄えねば 自分のかねての理想は実現されないのであるからと思い直した。 その時分は毎夜 山手の家へ通う源氏であった。 今年の六月ごろから女は妊娠していた。 別離の近づくことによって あやにくなと言って…