【源氏物語406 第13帖 明石68】源氏は初めて明石の上をはっきり見た。貴女らしく気高く端麗さが備わっていた。源氏は今日に迎えようと思う。

出発が明後日に近づいた夜、 いつもよりは早く山手の家へ源氏は出かけた。 まだはっきりとは今日までよく見なかった女は、 貴女《きじょ》らしい気高《けだか》い様子が見えて、 この身分にふさわしくない端麗さが備わっていた。 捨てて行きがたい気がして、 源氏はなんらかの形式で京へ迎えようという気になったのであっ…